「そういうところも羨ましい・・・私、前田春として生まれたかったな・・・」


加奈がそう言った。

すると、春は意外そうに、


「俺はそんな立派な奴じゃないよ。実際にこんな奴に生まれたら大変ですよ~(笑)」


「私はそう思わないからなりたいんだけどね・・・」


加奈は更にしんみりした空気を作り出してしまう。

何とか話を脱線させなければ・・・。


「あ、あのさ。春の用事が終わったらでいいから、そのあと3人でカラオケにいこーよ!」


「お、いいじゃん! じゃ、俺も適当にしない程度に早く終わらせて来るわ」


「・・・いいよね」


加奈に笑顔が戻る。

実は、私は加奈がカラオケが好きなことを知っていたのだった。(ドヤ)





この後入学式があり、隈を作っていた私はありがたく先生の話を聞き流し、ぐっすりと睡眠をとった。(立ちながらではなかったことに感謝したい)


カラオケの事もあり、私と加奈は帰る方向は違えど、春を待つべくして一緒に門の前に立った。