ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

(きっと…先生は誰にでもこうなんだ…)


誰にでも優しくして、誰にでもその人が望んでいる言葉をかけてあげる。


(だって…先生だもん…)


そう言い聞かせないと自分を保っていられない。


また全身が熱くなる。


私の首筋に、先生の唇が当たっていることに気づいたから。


「せんせ…離して下さい…」


そろそろ本当に死んでしまいそう…。


「先生?」


いつもだったら、きちんとイジワルな返事が返ってくるのに、何も返事がない。


(私がどっか行ったら、先生、倒れちゃうよね…)


後ろから先生がもたれかかっているから、私がここを移動したら、先生は倒れてしまう。


「先生?どうしたんですか?」


柔らかい黒髪をふわふわ撫でてみる。


「やわらかい…」


いくら撫でても、先生は目を覚まさない。


代わりに返ってくるのは、気持ちよさそうに寝る先生の寝息だけ。


「もー。仕方ないな…」


先生をゆっくり、起こさないようにソファに寝転がらせて、私は晩御飯の準備を始めた。