ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

「で、千音。今何持ってる?」


カバンをごそごそと漁る。


「このカバンと、筆箱と…通帳。」


「通帳?」


随分、カバンの中に入っているものとしては、変なものだろう。


「出てくる時、母親に投げつけられたんです。」


「ふーん。分かった。失くしたらダメだから、俺の机の上にでも置いておいて。」


紙にまみれる事も無く、すっきりしている机の上に通帳を置く。


「たいした額は入ってないですよ。」


「取らないから安心して。」


先生は絶対に、人の物は取ったりしないだろう。


私は、真ん中にある大きなソファに座った。



(ふかふかだ…。)



何故だ。それから先の記憶が無い。