「せん…せ……っ……」


塞がれたままで話すなんて事が私に出来るはずもなく。


「しゃべんなって、やりにくいだろ。」


なのに、先生は…。


「ん……」


最初は力強く先生の服を握っていたけど、もうそんな余力はない。


心臓…痛いよ…。


時折自分の口から漏れる声が、自分のものとは信じがたくて。


「はっ……なんで…もっと早くにはなしてくれなかったんですか…」


私の限界を感じ取ったのか、ゆっくり離してくれる。



「だって、あんな声で鳴かれたらなぁ?」



息が上がっている私を優しく受け止めながら、低い声でそう囁く。


「俺の我慢が効くのも時間の問題だな。」


「なっ…何言ってるんですかっ!」


引いたと思った全身の異常な熱が、また戻ってくる。


「お前…俺の事信用しすぎだろ…。結構ギリギリなんだぞ、今でも。」


そうやって…私の事翻弄するのやめて下さいよ…。