「夏海ちゃん。俺の彼女さ、すぐそばにいるんだよね。」


そういって、私の方を見る。


「え…彼女って、千音ちゃん?」


「そう。アタリ。」


夏海ちゃんの私を見る目が変わった。


(何…私、殺されるの…?)


じっと見つめられる。


「いいなー。千音ちゃん!こんなイケメンの傍におれるなんてや!」


次の瞬間には、夏海ちゃんの目は乙女の目になっていた。


「あはは…。」


その変わりように、ただ力なく笑う事しかできないくらいに。


「んじゃ、先生。俺ら帰るわ。」


「おー。じゃあな。」


「じゃあね。」


夏海ちゃんにも手を振って、春空たちは帰っていった。