ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

「っ…!」


耐えられなくなって、もう一度踊り場に戻ってしまった。


『そっか。そうだもんね。先生、女の子に興味なんて無かったもんね。』


イヤでも聞こえてしまうその声をどうにかして振り切りたくて、必死に耳を塞いだ。


『ああ…。』


先生、私に言ってくれたあの言葉は嘘だったんですか?


私にしてくれた事も全部嘘だったんですか?


「なん……なんですか…」


涙が目からとめどなく溢れる。


その時、


『ピルルル…』


先生の携帯の着信音がけたたましく鳴り響いた。


『ごめん舞。もしもし?』


少し先生の声色が変わった。深刻な雰囲気が漂う。


『分かった。ちょっと待ってろ。』


通話を終えた先生は、舞さんに、


『ごめん、今から俺出るわ。悪いけど帰って。』


『分かりました。何があったかは訊きませんね。』


そのすぐ後、先生が飛び出してきた。


「あっ…バレる…!」


急いで隠れようと思ったけれど、先生が来るのが先だった。


でも…


「先生、気づかなかった?」


まるで私の事が見えてないかのように走り去っていった。