ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

「え……?」


驚きで腕から下げていた鞄を落としそうになった。


「話してる相手、本当に先生だよね…?」


部屋の扉の窓はすりガラスになっているけど、一部はげている所がある事を私は知っていた。


そこから、少しではあるけど中が見える。


『そんなのいつの話だよ…。』


『つい最近だったと思いますけどね。』


中にはクリームがかった茶色い髪をゆるく巻いた、華奢な女の人がいた。


『先生、今付き合ってる人とかいるんですか?』


『は?』


先生の間抜けな声が廊下に響いた。


『なんでそんな事訊くんだよ!?』


『興味があるので。としか言い様が無いですね。』


膝から力が抜けていくみたいな感覚に襲われた。


(先生…なんて答えるんだろ…?)


少しの期待と少しの諦めが混じって、大きなため息が出た。







『いないよ。付き合ってる人なんて。』