ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

【千音side】



放課後、一人寂しくとぼとぼと廊下を歩く。


運動部の元気のいい声や、吹奏楽部のきれいな楽器の音たちが、私を掠めていく。


「暇だな…。何もすることないや…」


優たちも遊んでくれないし、春空もあんな事があったばかりだから何となく気まずい。


時計にふっと目をやると、4時丁度を指していた。


「先生いるかな…?」


これくらいの時間、たまに先生は会議で教室にいない事がある。


階段を上りきって、踊り場で足を止めた。




「女の人の……声…?」




優でも鈴でもない、甘ったるいけども大人っぽい、そんな声が聞こえてきた。


ダメだと分かっているけど、じっとその話し声に耳を傾けた。


『光希さん、全然変わってないですよね。びっくりしました。』


『舞(まい)もな。何も変わってないよ。』


『化粧の仕方は変えましたよ。気づきませんでした?』


『んなもん気づかねぇよ。』


『嘘つかないで下さいよ。』


『は?嘘じゃねぇし。』





『あたしに興味あったくせに。』