ワケあって、イケメン先生と同居始めます。

「良いじゃん。めでたいめでたい。」


そう言って、希望さんは鞄から何かを取り出した。


「はい、光希。アンタの好きなチョコ」


「さんきゅ。」


先生が受け取ったのは茶色い小さな箱だった。


パカッと蓋を開けて一粒を口の中に放り込む。


「千音ちゃんごめんね。これから光希が迷惑かけるかも~」


『私の方が迷惑かけるばかりで…』って言いかけた時、希望さんが何を伝えたかったのかが分かった。


「っ…これ…酒入ってね?しかもキツイの……」


「あったり~。というわけで、私たちはこれで帰ります。さようなら。」


先生から幸香ちゃんを奪い返して、部屋を出て行った。


「んのババア…覚えてろよ…」


「ババアって…先生と一つしか歳違わないじゃないですか…。」


この間希望さんに聞いた新しい情報。


何でそんな事知ってるんだよ。みたいな先生の視線は無視して、改めて箱をみてみる。


「こりゃ…キツイかもですね…」


お酒に弱い人だったら、確実に酔えるだろうというような数値が書いてあった。


「確か先生って……」


『俺、酔ったら絡んでいくらしい。』


いつぞやの先生の台詞が頭を掠めていった。


「最悪だ…。」


今日ばかりは希望さんを呪わせてもらいます…。