さくら

なんて考えてる間に授業が終わった。
帰りのホームルームも終わり、帰る時間になった。

今日は皆藤くんは部活だったため4人で帰り、最後は拓海と二人きりになって最初は気まずかったけど、話しているうちに少しずつ盛り上がり、普通にまた明日ねと言うことができた。

「もう頭の中拓海のことしかないやー」

ベッドに寝っ転がってそう呟く。
今日は宿題もないし、なんにもすることないな。コンビニでお菓子でも買ってこようかな…。
コンビニって言っても近くにはない。でも気分転換に行ってこよう。

いくつか好きなお菓子を買ってコンビニを出たとき、見覚えのある人がいた。
あ、皆藤くん。
向こうも私に気づいたみたい。

「お、新海」
「皆藤くん、今部活帰り?」
「おう」
「練習早く終わったんだねー」
「今日ミーティングだけだったからなー。何買ったの?」
「お菓子」
「…なんか意外」
「そおー?」

帰る方向が同じなので、そのまま二人で歩き始める。

「そういえば皆藤くん、いつもみんなでいるときあんまり部活の話しないよね。ここのサッカー部って結構強いんでしょ?」
「おう!今の3年のキャプテンがすごい良い人でさ、まさにキャプテンって感じの人で、サッカーもうまいし性格も明るいしほんとに憧れの先輩なんだよ」
「へぇー。じゃあすごいモテるだろうね、その先輩」
「そりゃな。去年のバレンタインに20人から告られたって噂聞いたぞー」
「うわーすごーい」
「でももちろんすごいのはキャプテンだけじゃなくてさ、あ、モテるモテないとかじゃなくサッカーの話な。先輩たちはほんとにこんな田舎育ちだとは思えないぐらいサッカーうまくてさ、しかもなんだろ、ただうまいだけじゃなくなんかお互いを信頼しあってんだよな。俺ら1年もそういう先輩になれたらいいなーなんて」

皆藤くんの目、今すごくきらきらしてる。
よっぽど部活楽しいんだろうな…。
拓海も、入りたかっただろうな。