さくら

｢真子もなんかないのかよ｡つらいと思ってること｡真子がつらいと思ってること､俺が一緒に背負うよ？｣
｢何セリフまるパクリしてんの｣

かっこいいから言ってみたかっただけだ｡

｢うーん､中学のときはお父さんとお母さんが離婚したことで私荒れちゃって色々やってたけど､今はお父さんとお母さんがまた再婚して3人で暮らせるようになったから､別にそんなつらくないしな…｣
｢え､待っておまえ荒れてたの？｣
｢うん､学年で1位2位を争う問題児｣
｢まじか超意外！｣
｢髪も金髪だったしねー｣
｢すげえ！今度写真見せてよ｣
｢いいけどすごいびっくりすると思うよ！あはは｣

俺も真子のことちょっと知れて､なんだか嬉しかった。
　

気づいたんだ､俺｡
真子が一緒に背負うって言ってくれた瞬間に｡

真子が好きだって｡