そんなとき、思い出したように凛が俺を睨んだ。
「まてまてーい。いま洋介あたしの手柄横取りしたよね?」
「ん?」
「いいところだけ持っていくなんて最低な奴だな。まじでクソ野郎。」
「あー。ごめん。」
「自分かっこいいとか思っただろうけど事実、あたしがかっこいいんだよ。あたしがヒーローなの。正義なの。逆に洋介は敵だよ。悪だよお前は。そのうちハゲろ。クソ。」
…なんで口の悪い彼女なんだ。
ハゲろとか酷い。
あいにく俺はまだふさふさだから。
「ムカついたからこんばんはあたしに焼肉おごれよ。」
「はあ!?」
「あたりまえだろーが。」
「さっきから聞いてれば口悪すぎ。それでも女かよ。」
「女ですけど?女の鏡ですけど?」
「声デカイって。」
「あ?」
ほらほらほら。
周りがクスクス笑ってんじゃん!
恥ずかしいんだけど。

