「…うざ。」
「聞こえるって。」
「ムカつく。」
「うわ、」
凛の顔が怖い。
都邑過去の顔をする時はなにか大きなことをやらかす時。
嫌な予感がした。
でもそれはもうすでに起きてしまう。
「おいお前ら。」
「あ?なんだよ。」
「ここを退け。さもないとあたしの彼氏が許さない。」
「はあ!?」
おいコラ。
どうして俺を盾にしやがる。
そんな高校生は睨みを切らす。
…若いなぁ。
まあそうゆう年頃なんだろうけど。
「ヤダね。」
「なんで俺たちがどかないといけないの。」
「それな。」
「元気盛んなお前らが立たないでどうすんの。あのな、お前らはな将来立派な大人になるんだ。なら今のうちにしっかりしろ!じゃないと女に逃げられんぞ!」
「な、ガチ!?」
「おう!ガチだ!」
「席譲ったら彼女できんのかよ!」
「当たり前だ!ほら立て!」
「「「うぇい!」」」
……なんて単純な高校生なんだ。
あんな説得で納得しちゃうなんて。
つまりあれだ。
こいつらは馬鹿なのか。

