愛の歌、あるいは僕だけの星


 ストーリーの内容は、所謂ラブコメディだ。
 中学時代に、ずっと好きだった幼なじみとようやく恋人になれた。それだというのに、元々何かにつけてモテまくっていた彼は、調子に乗ってつい出来心でした浮気が発覚。あっさりと破局する。なぜ、どうしてあのとき自分は。桐生怜二の人生には、後悔ばかりがつもっていく。

 結局、どんなに謝り倒しても恋人には戻れなかった桐生怜二は、甘んじて親友として傍にいた。それで満足だったはずなのに。彼女から結婚すると告げられる。ひとりやけ酒を煽っていた桐生の前に現れたフードを目深に被った怪しい女。

『そんなに後悔しているなら、過去をやり直して見ませんか。お値段、今なら大特価。十年パックで百万円です』

 後悔に押しつぶされそうになっていた桐生は、藁にも縋る思いで金を支払い過去に戻る。けれど、やっぱりうまくいかない。どこかで、誰かが邪魔をする。がむしゃらに金を作っては、何度も何度もやり直すうちに、気づけば一生分の時間を使ってしまう。そんな彼は、誰が見てもやつれ果てていた。

 タイムパラドックスの狭間に落ち掛けていた桐生に、どこか悲しげに彼女が言う。