愛の歌、あるいは僕だけの星


 頬を赤らめて、嬉しそうに告げた如月に、銀也はどこかでほっとしていた。喜んでもらえて、良かった。誰かの為に、何かをしてあげたいと、そんな風に思ったことなんてなかったから、その方法も手探りだ。

 スクリーンのよく見える位置を選んで、ふたりで腰を下ろす。年季の入った赤いベルベッド生地の椅子はさすがに雰囲気がある。照明が落ち、いくつかの予告の後にようやく映画が始まる。

 如月がお気に入りの俳優、桐生怜二はこの映画が初主演となるらしい。端正な顔立ちをしているため、良くも悪くも大抵が綺麗どころの役柄で主役の脇を固めていた彼が、今回の映画で新境地を切り開くらしい。と、如月が始まる前に銀也の横で熱く語っていた。