愛の歌、あるいは僕だけの星


(どこにいるんだろう。女の子の家とかだったら、さすがに見つけようがないんだけど)

 きょろきょろと辺りを見渡しながら、住み慣れた町を走る。いくつかの場所を回った後、近所の公園へとたどり着いた。町の中で一番大きな公園だけれど、さすがにこの時間となれば人は誰もいない。

 そんな静かな夜の公園に、ぎい、ぎい、と金属が軋む音がした。音のする方へ、ゆっくりと歩いていく。ブランコが揺れてて、そこには人影があった。

『藤原君?』

「……!」

 ぎょっとしたような顔をして、銀也が呼ばれたほうへ振り返る。足下には、コンビニの小さな袋が置かれていた。そっと夏が中をのぞく。

『プリンが食べたかったの?しかもふたつも』

「ほっとけ」

 銀也は、拗ねたようにそっぽを向いた。その様子が、なんだか子供みたいで可愛く思えて、夏は思わずくつくつと笑う。