愛の歌、あるいは僕だけの星


「コンビニ行ってくる」

『え……』

 そのまま、銀也は戸惑いに声を漏らした如月を振り返ることなく、サンダルを引っかけて逃げるように部屋を出て行ってしまった。

(俺……、何してんだよ、ほんと!)

 サンダルのまま、夜道をとぼとぼと歩く。
 何を喧嘩しているんだ、自分は。こんなことを如月に言いたくて、一晩中彼女を探し回っていたわけじゃないのに。

 既に、夕暮れは濃紺が滲み、ちらちらと星が瞬き始めている。とりあえずアパートを飛び出してきたものの、行く場所なんてない。自己嫌悪にそのまま道路にうずくまりたくなる。

 どうして、素直に言えなかったんだろう。
 如月が消えたと思って、心配だった。そう言えばよかっただけなのに。それがどうして、出てきた言葉は最低最悪だ。むしろ、地雷といってもいいくらい。