愛の歌、あるいは僕だけの星


 きらきらと瞳を輝かせる蒼井に、驚いてしまう。新しい副会長の一面を見た、ということもそうだけれど、きちんと自分が好きなこと、やりたいことをみつけ、真っ直ぐ将来を見据えているその姿に。

(すごいな)

 素直に、そう思った。
 こくりと喉を鳴らして紅茶を飲み、そのまま押し黙った銀也に、今度は蒼井が問いかける番だった。

「そういえば、会長、最近彼女出来たんですか?」

 その瞬間、頬杖をついていた銀也が勢いよく顔を上げて目を見開いた。がちゃんとカップが大きな音を立てる。

「な、なな……、何言ってんだよ!」

「どうしたんです? そんなに慌てて」

「いるわけねえだろ!そんなもん!!」

「そうなんですか? てっきり、その彼女が会長のことを変えたんだと思ってました。彼女じゃなかったんですか」

 銀也の目を真っ直ぐに見つめながら、蒼井はもう一度聞く。その瞳にうつる銀也は、酷く戸惑ったような表情をしていた。

 恋なんて偽善。ただの嘘っぱち。そんなものなくたって、ヤれるものはヤれんだろ。そんな風に、ずっと、思っていたくせに。