「たかだか学校の仕事で、そこまで深く考えなくてもいいんじゃない?しかも、俺のことなんてどうでも……」
「あなたは、頭は良いくせに馬鹿ですね」
「んだとっ!」
蒼井は溜息をつきながら言った。
「俺は、会長のこと嫌いじゃないですよ。むしろ、好感すら持ってます」
「はあ……、いったいどのあたりに?」
まったく蒼井の考えが理解出来ず、本気で問いかけた銀也に蒼井は楽しそうに笑った。そういえば、こんな風に笑う副会長を、銀也は初めて見た。いつも生真面目で、仕事も出来て、なかなかモテそうな容姿をしているくせに浮いた噂もない。なんだかとっつきづらくて面白味のない男だなと思ったのが、蒼井静香の第一印象だった。
(なんだ、ちゃんと笑えるのか)
それを知ることが出来て、なんだか素直に嬉しいと思った。他人のことを、そんな風に思えるなんて不思議だ。

