愛の歌、あるいは僕だけの星



「夏の両親、なんかすごいな」

 すっかり自室のベッドでくつろいでいた夏に向かって、そう言った。夏は、「まあね」と言って苦笑する。ゆっくりと夏の横に腰掛ける。

「……いつ帰ってくんの?」

『まだ、わからない』

 銀也は、夏の答えを聞いて自然と小さく眉を寄せる。そんな銀也の顔をみて肩をすくめた。

『じつはあたしね、猫を飼ってるんだけど……』

「猫?見かけなかったけど」

『いま、妊娠してるんだ。だから、両親の寝室で安静にしてる』

「……そうだったんだ。もう、産まれそうなの?」

『うん、もうすぐ!初めてのことだから、すっごく楽しみで。けど、それ以上に心配だったんだ。だから、ごめんね、銀也』

 そんな風に言う夏に、それ以上戻ってこいだなんて銀也には言えるはずもない。「楽しみだね」と、そう言うことしか出来なかった。