愛の歌、あるいは僕だけの星


「けれど、うちの娘もなかなかやるなあ」

「ほんとよねえ」

「こんなかっこいい青年、なかなかいないぞ」

「本当ねえ。モテるでしょう?銀也君」

 唐突な振りに、慌ててしまい「え?」と声を漏らす。

「や、あの……、そんなことは……」

「謙遜する辺りがまた良いね。父さんも、あと二十年若かったら張り合えたのかもしれんがなあ」

 わはは、と豪快に笑う父に対し、母が「あなたが変わったのなんて、髪の量とお腹の脂肪くらいでしょ」と冷静に切り込んだ。がっくりと肩を落とす父は心底悲しそうだ。

「けど、夏も知らない間にこんな彼氏を見つけてたんだな」

「ゲホッ……、ゴホッ……!」

「あらやだ、銀也君、大丈夫?まだ具合悪いんだから、無理しないでね」

『だからー!違うっていってんのに!!』

 夏が、キーキーと叫んでいるのが何だか面白い。
 そっと箸を置いて、夏の両親をみる。

(いいな)

 こういう両親に育てられれば、きっと夏みたいな人間が出来上がるのだろう。そんな風に思って、素直に羨ましいと感じた。