「君は、夏のクラスメイトだね?」
「はい。藤原銀也と言います。本当に、今日はありがとうございました。すごく助かりました」
「いやいや、こちらこそ礼を言うよ。夏も喜ぶ」
なんだか気恥ずかしくて、無言のままこくりと頷けば、夏の両親は嬉しそうに顔を見合わせて微笑んだ。
「こないだも、レンゲちゃんが来てくれたのよ」
「……神谷さんが」
どきりと心臓が鳴る。放課後に、彼女と話したことが思い出されて、思わず夏に視線をやった。じくじくと何か薄暗いものが腹の底から沸き上がるようで。不思議そうに目を瞬かせる夏の顔を、それ以上みられなかった。

