愛の歌、あるいは僕だけの星


「……そんなことを今更言っても仕方ないだろ。だって、夏はもう、いないんだし」

「そんなこと、藤原に言われなくたって知ってる」

「分かってるんだったら、諦めればいいよ。そうした方が楽じゃない?」

「別に楽になりたいなんて思ってない。藤原には理解出来ないことなんだから、ほっといて」

 ぴりっと、張りつめたような空気は、すぐに溜息をついた神谷によって緩められた。「調子狂うな」とそう言って小さく肩をすくめる。

「なんで、藤原がそんな必死そうな顔をしてるのよ」

「……は?」

「気づいてないの?けど、まあ一応、話聞いてくれてありがとう。誰にも、言えなかったことだから少しすっきりした。それに、藤原の言うことも間違ってない」

「や、俺は……」

「別にいいよ、気にしないで。ごめんね、なんだか一方的に話しちゃって」