「……まあ、結局そうやって拗ねてたんだ。ほんとうは興味なんてないくせに、我が儘言ってピアノを習わせてもらったり、彼氏つくって勉強することから逃避してみたり。そんなことして逃げてたら、夏が怒らないわけないよね」
それが、夏が事故にあう三日前。
くしゃりと、顔を歪めて彼女は苦しそうに言った。
「元々、よくケンカもしたけど、あんなに大声でやり合ったのは初めてだった。レンゲが後悔するのは見たくないって、夏が言うからさ。あんたに私の何が分かるのって言い返した。その時の、傷ついて泣きそうな顔が忘れられない。まさか仲直り出来なくなるなんて、その時は思いもしなかった」
「……後悔、してる?」
「当たり前でしょ。死にたいほど後悔してる」

