愛の歌、あるいは僕だけの星


 そこまで口にしてハッとした。聞こえていなければといいと思ったけれど、そこは人間観察が趣味という彼女だ。まったく聞き逃してはくれなかった。

「……夏って、あの夏?なんで、藤原……、夏のことそんな風に下の名前で呼ぶほど親しかった?」

「えっと……、その……」

「夏は藤原のこと、何も言ってなかったけど」

「……生徒会から、色々とクラス委員長に頼むことも多いし、まあ色々と」

「ふうん?藤原、私が委員長になっても必要以上に頼みごとなんてしないくせに」

 しどろもどろに答える銀也に、神谷は怪訝そうな表情をするも、それ以上は追求しようとしなかった。ゆっくりと銀也を見上げて、笑う。