愛の歌、あるいは僕だけの星



「藤原、あんた自分で放課後残るように言っといて居眠りしてるってどういうことよ」

 肩を叩かれて目を覚ます。
 結局、担任であるゴッツの授業のためにと学校へ来たものの、いつの間にか額は机にくっついていて、肝心の授業もとっくに終わってしまっていたらしい。

 顔を上げれば、そこには腕を組んで不機嫌そうな顔を向ける神谷レンゲがいた。きょろきょろと見渡せば、放課後はそれぞれに忙しいクラスメイトたちはとっくにいなくなっている。

「待っててくれた?」

「まあ、一応」

「そっか、ごめん。ありがとう」

 銀也が慌ててそういうと、神谷は驚いたように目を丸くした後にこほんとひとつ咳払いをした。

「で、何。あんまり藤原とふたりでいるところ見られたくないし、早くしてくれない?」

「……きのうの、お礼言いたくて」

「亜矢子のこと?」

「そう。多分、神谷さんに頼めて良かった。けど何の関係もなかったのに押しつけちゃったし、今更ながら申し訳なかったなと……、って、なんでそんな変な顔すんだよ」

「いや、だって……、何?これって天変地異の前触れか何か?」

「失礼なやつだな、ほんと。夏にしろ神谷さんにしろ」

「え?」