愛の歌、あるいは僕だけの星


「太陽の光を浴びると……、灰にでもなりそう」

 しょぼしょぼする目をこすりながら、大きな欠伸をした。

 教室に近づくにつれて、ざわめく音が大きくなる。いつものように、大勢のクラスメイトたちに次々と声を掛けられながら自分の席へついた。となりには、ぴんと背筋を伸ばした三原が座っている。

 何を、そんなに気にしているのだろう。少し前だったら、何も気にせずに挨拶でもなんでも出来たのに。そもそも、自分が悪いことをしただなんて、思わなかったんじゃないだろうか。

 誰とも本気で向き合うことなんてなかったし、自分なんかを好きだという相手を見下したりもしていた。

「三原さん」

 その背中に声を掛ける。パッと、こちらを振り返った彼女は、一瞬苦しそうな顔をした後、すぐに隠すように口角を上げた。

「おはよう、銀也君。きのうは、色々とごめんね。それでも、やっぱりありがとう」

「俺の方こそ……」

「いいよ、全然大丈夫。私、別に銀也君に謝って欲しくない。夏の代わりだったとしても、ちょっとだけ嬉しかったから」