愛の歌、あるいは僕だけの星


 ばくばくと未だうるさい心臓。大きく深呼吸をした。
 自分の頬をつねってみたり(普通に痛かった)、地団駄踏んでみたり。そのたび、これは現実であるのだと突きつけられては項垂れた。

 ことの原因である如月は、いつの間にか銀也のベッドに無断で腰を掛けて足を組み、銀也が慌てふためく様をとても面白そうに眺めている。

「何見てんだよ」

『我が学園が誇る、眉目秀麗な生徒会長様の面白ショットを堪能してた』

 そうして、真面目腐った顔をして言ったのだ。

『あんた、今の姿を他の女の子に見られたら、確実に幻滅されてファンも減っちゃうと思うよ』

「どうでもいいわ、そんなもん。それよりも!」

『ん?』

「ん?じゃねえよ!なんで、あんたついてきてるんだ!?死んだんだろ!さっさと成仏しろよ!!」

 銀也の訴える至極真っ当な意見に、如月は若干面白くなさそうにして口を尖らせた。

(なんなんだよ。大体、これが夢じゃなかったとしたら、俺はここまでどうやって、あの気絶した道路から家まで移動したんだよ。え、まさか)

 元々頭の回転の早い銀也が、即座にある一つの予想を導き出した。けれど、そうであって欲しくない一心で中々口に出来ない。ちらりと向けられた視線に気づいたのか、如月は得意気に胸を張って言った。