愛の歌、あるいは僕だけの星



「……んぅ」

 うっそりと引き上げられるように意識を戻せば、木造の見慣れた天井が目に飛び込んできた。

「夢、か……。まあ、そうだよな。如月は死んだんだし、ていうかなんで如月?意味が分からない」

(だいたい幽霊なんて、馬鹿馬鹿しい。非科学的、非現実的すぎ)

 必死に自分へと言い聞かせた。けれど、そんな銀也の必死の努力は無情にもたった一言で無にされるのだ。

『あのぅ、大丈夫?』

 ひっ。

 一瞬、息が止まる。恐る恐る振り返ればそこに、心配そうにのぞき込んでくる女子高生。如月夏、享年17歳!

「出、出たああああああ!」

『……ちぇっ。傷つくなあ』

 如月は、拗ねた顔でつぶやいた。
 喋ってる。見た目も、声も、ちょっと透けている意外は生きていた頃の彼女とおんなじだ。認めたくなんてなかったけれど、認めざるを得ない。

(幽霊って、ほんとにいたんだ)

「夢じゃ、ない」