あっ、パパ帰ってきた。





どうか部屋に来ませんように・・・・・・。






「カンナっ?入るぞ。」

  





えっ!?来た?





部屋は真っ暗にしたし、後は寝たふりすれば。






「カンナ、もう寝てるのか?」







「・・・・・・。」




 

ガサガサ






布団めくって何してるの?





ッー痛い。
    





「起きてるんだろ?」






バレてる。






「パ・・・・・・パ。






痛い。」






傷、そんなふうに触ったら痛いよ。






「なんで今日来なかった?」






はぁ、ママには通用してもパパには通用しない。






「・・・・・・病院、嫌いだもん。」







「それでも約束してただろ?






カンナの予約で、そのように他の先生や看護師さんも準備してたんだぞ。






時間になっても来ないなんて、失礼だろ?」






確かに。





「ごめんなさい。」







「傷も膿んでるよ。





ずっと痛かった?」




「・・・・・・学校で、男の子に触られて。」




「そうか。





明日、クリニックはお休みだから、パパと行くんだぞ。」







「・・・・・・。」





「カンナっ!?」




「うん。」





はぁ。優太の馬鹿。    






嘘つき。






優太ばかりがいけないんじゃないけど。






信じるんじゃなかった。