次郎は今日もクリニックにやってきた。 「おはようございます。」 実加に挨拶をされ、次郎は練習してきた言葉を発した。 「あ、ありがとう。お、美味しいご飯じゃったよ。」 たどたどしく次郎が喋った。 「とんでもないです。 お口に合わなかったら、遠慮なく言ってくださいね。」 実加は満面の笑みで答えた。 次郎は78歳にして、息子よりも若い実加の笑顔に胸が弾んだ。