「澤井さん。顔色がよくありませんね。 食事、とられてますか?」 会計中、窓口に来た次郎を見ては、実加が尋ねた。 「あ・・・・・・食べてる。 明日からは、どうなるか分からんが。」 「えっ?」 「あ、いや・・・・・・。 息子家族が、一週間留守をするんでな。」 次郎は喋り過ぎたと思い、口を手で塞いだ。 「そうなんですか。 お一人なんですね・・・・・・。」 実加が考え事をしている間、次郎はクリニックをそそくさと出た。