クリニックは一日慌ただしく、昼休憩もままならないほどの忙しさだった。 実加は診療時間が終わると、自宅に戻って行った。 「ただいまぁ」 「おかえり」 カンナが戻って来る。 「ママぁ、おやつは?」 「はいはい、待っててね。」 たった今帰ってきた実加に、たった今学校から帰ってきたカンナがおやつを要求する。 実加はカンナにおやつを渡すと、干していた洗濯物をしまい、お風呂を洗い、夕飯の買い出し、夕食と。 仕事と家事をこなしていた。 誰が見ても、実加に持病がないように思えた。