美保が目を覚ますと、ベッドの上で仰向けになっていた。
手には点滴がされている。
クリニックに着たときに比べて、だいぶ体が軽くなっていた。
「美保ちゃん気づいた?」
その声は、倒れる直前まで聞いていた優しい声だった。
「そうとう辛かったね。
でももう大丈夫だから。
点滴に時間がかかるから、お母さんには一旦自宅に帰ってもらったよ。
終わったら、送って行くからね。」
「あ、ありがとうございます。」
「お腹は空いてる?」
美保は頷いて答えた。
「じゃあ、お昼は食べやすいものを用意したから、一緒に食べよう。」
そういうと、実はベッドから離れていった。



