「大丈夫。そんなに緊張しなくていいよ。」
目の前にいる白衣を着た実を、美保には医者と思えないほど優しく声をかけられ、
驚いて顔を上げた。
「やっと顔を見れた。」
実は美保の顔を少し見ると、目をそらし、
「顔が真っ赤だね。辛かったね。」
美保は張り詰めていた緊張が溶けたのか、涙がポロポロと出てきた。
美保が泣いている間、実は美保を泣き止ませることもなく、じっと美保が泣き止むのをそばで待っていた。
「・・・・・・すいません。」
そうつぶやいた瞬間っ、美保は高熱にやられたのか、椅子から崩れ落ちそうになった。
なんとか、後ろにいた看護師が支えて、美保をベッドに移した。



