ガラッ





病室の扉を開けると、天井を眺める実加の姿があった。






「実加、ごめん。






本当に悪かった。






俺、割れた茶碗のこと、全く気付かなかった。






本当に、ごめん。」









「・・・・・・うん。






私には、すごく大切なものなの。






大切な人からもらったお茶碗だったの。







でも、私こそ、意固地になってごめんなさい。」








ベッド際の椅子に腰かけた実を見ながら、実加が謝る。







「ちゃんと、俺の診察は受けろよ。








俺、自分で実加の体を診てやれなくて、今、すごく悔しいんだからな。」








そう言い、実は実加の手を握りしめた。








そして、








チュ







と軽く唇を重ねた。