体は怠いのに、眠れない。 食欲もあまり起きない。 点滴をしてるせいか、水分も欲しいと思わない。 実加はボーっとしながらベッドに仰向けになっている。 ボーっとしていても、家のこと、仕事が気になる。 院長が帰ってきてくれると言われて、カンナのことはよっぽど安心だけど。 実加はそれよりも実と言い合いしたときに割ってしまったお茶碗のことを思い出すと、未だに悲しい気持ちになる。 あのお茶碗は、実には思い出がなくても、実加にはとても大切なお茶碗だった。