それから容態が落ち着いた実は、青木先生から実加を引き継ぎ、病室に移すと、実加の隣のベッドにカンナを寝かせた。 「はぁ。実加。 どうして診察を拒んで、体調悪いことも黙ってたんだ? せっかく何年も喘息が出ずに落ち着いてたのに。」 寝ている実加の手を取って、実は話しかけた。 そしてそのあと、全国のどこかにいる院長に電話をかけ、できることなら戻って来てほしいと頼んで、電話を切った。