「ちょっと、カンナー!!待ちなさいっ!!」



朝の朝食を終えたカンナは、母親の実加に捕まらないように、素早くクリニックに走っていく。



「どうした、実加。」




クリニックと自宅との扉を開けた実が、騒がしい二人の様子を扉を開けてみた瞬間、カンナは診察室に飛び込んだ。



「カンナ、勝手にクリニックに入ってくるんじゃない。」



「だってママが追っかけて来るんだもん。」



「はあはぁはぁ。」


呼吸を落ち着かせた後、



「カンナ!その服はお出かけ用なんだから、こっちにしなさい!」



「やだよ。こっちのほうが可愛いんだもん。」



そういいながらあっかんべーをする。



「カンナ、ママの言うことが聞けないなら、そのお出かけ用の服は、捨ててくるぞ。」



そう実が言うと、カンナは渋々持っていた服を実加に差し出した。



「はぁ。最初からそうしなさいよ。」



そういいながら実加とカンナは二人で自宅に戻ろうとする。



「実加、大丈夫か?」


実は全速力で走ってきた実加が心配でならない。