「か、要くん?」






探しに来たのに、真後ろに立っている要くんを見つけて、思わず噛んでしまった。






「カンナちゃん、どうしてここに?






もしかして、入院してるの?」






要くんが私の名前を覚えてくれたことにも驚いた。







「うん・・・・・・。少しだけ。」







すぐに退院できる!に違いない・・・・・・。






「そうなんだ!僕はここが部屋なの。






寄ってってよ。」






そういって要くんは私の手を引いて部屋に私を入れた。





部屋には同い年くらいの男の子ばかり。






緊張する・・・・・・。








要くんのベッドの周りは、なんだか自分の部屋のようだった。






日用品が何でもいいそろってるって感じ。






その様子を見てか、要くんが、






「すごいでしょ!入院長いから、マイルーム化してる(笑)」





笑いながら言うから、私も笑ってみたけど、本当は辛いはず。






「・・・・・・。」






笑っただけで、気の利いた言葉がでてこない。





「僕ね、心臓が良くないんだ。





最近、退院してたけど、ちょっとヘマして、発作が起きて病院に戻って来ちゃった。へへ。」







「そうなんだ・・・・・・。





私は、初めての入院・・・・・・。






今まで病院にかかることなんて滅多になかったから、今、どうしたらいいか、よくわかんない。」





要くんの方が辛いのに、私、何自分の悩みを言ってるの・・・・・・?





「そうだよね。今自由に体を動かせたのに、突然こんなふうに閉じ込められた生活なんて、辛いよね。







病院のことなら何でも聞いて!って言っても、建物の中のことしか分からないけど。」






そういいながら、笑顔の要くんを見ると、私も自然と笑みがこぼれた。






要くんと話してると、緊張しながらも何でも話せた。






夕飯の時間が近付いてきたから、看護師さんにばれないように部屋に戻った。