「クシュンッ! 寒い彡」 実加は朝から塗れた頭で洗濯物を干していたので、体が冷えきっていた。 リビングに入ると、すでに実はクリニックに向かっていた。 今日は午前中の診察を終えたら、愛知大学病院へ当直勤務に向かう。 実加はそのことを思い出すと、夜も実と顔を合わせなくて済むと思うとホッとした。 「ママぁ、ご飯は? パパが昨日も一緒に食べてないから、心配してたよ。」 「食べたよ。大丈夫。心配かけてごめんね。」 そういって、かんなを送り出した。