「実加ちゃん?」






リビングに入ってきた院長が、実加に声をかけた。






「実加ちゃん、どうかしたか?」






院長は実加の顔を覗き込んだ。






「・・・・・・いえ、何も。」





 
そういいながら、無理して明るく振る舞う実加。






院長は実加に元気がないことは分かったが、それ以上何も聞かず、黙った。