「カンナちゃん!?」
カンナに声をかける看護師の奥から、お茶を持って歩いてきた院長が、カンナに声をかけた。
カンナは一瞬、顔つきが緩んだが、すぐに目つきは鋭くなり、院長に向かって叫んだ。
「来ないでよっ!!!」
「どうしたんじゃ、カンナちゃん。」
優しく返す院長の言葉が終わるとすぐ、
「騙したっ!!!おじいちゃんも、ママもパパも!!!
私のこと騙したっ!!!」
カンナは目に涙を溜めていた。
「とにかく、病室に戻ろう。」
院長は極力優しく心掛けて声をかけた。
しかし、カンナには何を言ってもマイナスにとらえてしまう。
「病室って、おじいちゃん何よっ!!!私は病人じゃないもん!」
泣きながら興奮し、カンナは呼吸を荒げた。
「ハァハァハァハァハァ」
肩を上下にさせなげら、看護師と院長の方を見ている。