映し出されたのはただ一つの画面だった。私は画面に夢中になった。


ドアの向こうの二つの目と画面の目が重なったとき、私は思った。優しそうな人でよかったと。


やっと会えたのに、また別のドアがあらわれて二つの目は消えてしまった。ドアノブを回して次の部屋へ入ってゆく。


中ではハットを深めにかぶった老人が背中に青白い光をうけていた。


「どうでしたか?愛するだけの人生は」


「よく覚えていないわ」













私は老人に導かれながら、次の扉の前に立った。