ガチャッ

扉が開いた。

碧海
「遅くなってごめんっ!」

碧海が息を切らしながら
室内に入ってきた。

弥生
「遅いぞ〜碧海〜!」


「学校お疲れ様。」

碧海
「学級委員の仕事で遅れちゃった。」

カバンを部屋の隅に置き
俺達が集まっているところへ行く。

信也
「今日は、ちょっと話がある。
練習の前に聞いてくれ。」

練習に入ろうと準備運動をしている
3人を俺は呼び止めた。

弥生
「俺達さ〜、指導してくれる人とか
プロデューサーとかいないやん〜。

だから、そういうのも
これから活動していく中で
大切やないかと思うんよ〜。」

みんなの頭の中には
はてなマークが浮かんでいる。

信也
「まぁはっきり言うと
これから本格的に活動していくから
基本的なものを揃えていこってこと。」

そういうと、
みんなの目は輝き出した。


「え?!本格的に?!」

友衛
「ほんと?!やったぜ!」

3人はとても喜んでいる。

信也はひとり、
心の中でホッとしていた。

もしかしたら、拒否られるかも、
と思っていたからだ。

碧海
「え、じゃあこれから
プロデューサーとか指導者を
探すってこと?」

信也
「そうなるかな。」

喜んでいる暇はあまりない。

これから早く進んでいかないと
時代が過ぎ去ってしまうからだ。

弥生
「誰かそういう指導者とか
プロデューサーとかの
人と知り合い関係ない〜?」

シーン、と静まり返る室内。

やっぱりそういるもんじゃないよな。

うーん、と唸っていても
何も思い浮かぶわけもなく…。


「とりあえず、練習しようか。」

ニコッと笑ってみんなを
立たせる煎。

さすが煎くん。
心の広さも大人っぽさも
グループ内では一番上だ…。

練習に打ち込み余計なことは
考えないようにしていた。