調理部なんてどうでしょう?

「宮島君!料理酒入れすぎ!」

私は慌てて駆け寄り、フライパンを手に取った。駄目だ、一回入れてしまったらどうしようもない。

「ご、ごめん・・・。」

「た、多分大丈夫!蒸発させればいいと思うから!そ、それより、宮島君は今度はそれを潰してくれる?お願い!」

私はホールトマトを指差して、フライパンの様子を見ながら宮島君に頭を下げた。

「お、おう!」

できたらいそいでほしいけど、それを言うとまたやらかしそうだし、潰すだけの作業なら大丈夫だろう。

私は火を急いで弱めてから、フライパンの中をはしでまぜて料理酒が蒸発してくれないかと様子を見る。





・・・という感じで、それから数十分後。


「できた!!!」

あれからの宮島君も、ホールトマトを撒き散らし、さらに1枚お皿を割り、お湯を腕にかけて火傷しそうになり、パスタの麺を早く出しすぎて一部固まってしまっていることにショックを受け、またお皿を割るという見事な不器用っぷりを見せてくれた。


でも、一生懸命にやってくれたし、結果的に完成させることができたのでよし!



「先輩!俺やりました!見てください!」

宮島君はホールトマトでべたべたのエプロンを着たまま華嬢先輩に走り寄る。


「ま、まぁ・・・あなた達も初めてにしては上出来じゃないかしら。」

華嬢先輩はいかにもこいつがこんなに不器用だなんて知らなかったという顔だ。まぁ、そうですよね。



すると、ふっと私の前に影が現れた。慌てて飛びのくと、猫塚先輩だ。

「味見・・・します?」

「おう。」

猫塚先輩は私と宮島君の血(本当に血を流しちゃったな、そういえば)と汗と涙の結晶の前に座る。

宮島君と華嬢先輩が猫塚先輩に注目する。調理部初の調理。その味を皆が緊張して確かめようとしているのだろう。私も、もちろん猫塚先輩に注目する。