調理部なんてどうでしょう?

「ありがと・・・俺、不器用だからな・・・。」

「大丈夫、私がこれ切るから、宮島君は今のうちにお皿洗ってて。」

私はさっと材料をまとめて包丁を手に取ったのだけど、それもつかの間にガチャン、パリンッという音が聞こえた。

「ごめんっ、皿割っちゃった・・・。」

宮島君が青くなっている。宮島君、もしかして筋金入りの不器用・・・?

「大丈夫?手、また切ってない?」

「それは大丈夫。ごめん、これ急いで片付ける。」

宮島君は一生懸命にお皿をかき集める。また手を切らないか心配だ。

「俺のことは気にしないで、調理に戻っていいよ、九重さん。」

「う、うん。」

とりあえず私はもう一度包丁を取って調理に取り組んだ。材料を切り終わると、次はフライパンをコンロにかける。

油をひいてから、材料をさっと中に入れる。そこまでやり終わると、お皿を片付け終わった宮島君がこちらにやってきた。

「あの・・・俺、また皿割りそうだからこっち手伝わせて・・・。」

「いいよ!じゃぁ、これ見てるだけでいいから、少しこげついてきたら教えて。」

何だか、ものすごく不器用な宮島君を見てると、すごく微笑ましくなって思わず笑顔になってしまった。

「お、おう。」

宮島君はなぜか驚いたように返事をして、すぐに目を背けた。私は気にせず、今度はお皿を洗う。

しばらくたって、宮島君が叫びだした。

「九重さん!九重さん!九重さん!まってこれどうしよう何かもうすぐでこげそう!これ、火、消していいの!?どうしよう!!」

私は驚いて急いでコンロへ向かう。
フライパンの中をのぞくと、にんにくの匂いをただよわせてジリジリと材料が黒くなりだしている。宮島君、もうちょっとタイミング早くすると良かったかも。


「だ、大丈夫!急いで料理酒を、えっと・・・大匙4杯くらい入れて!」

私は料理酒を指差し、自分は側に置いてあった缶を手に取った。ホールトマトの缶だ。華嬢部長が用意してくれた材料が品揃えが良くて良かった。
それを急いで開ける。簡単にもち手を引っ張るだけのものなので、すぐに開けてそれをボールに入れる。

先にこれを用意するのを忘れていたな・・・。
ホールトマトは潰してからフライパンに入れなくちゃならないのを忘れていたのだ。


すると、宮島君がまた「わああっ!!」と叫んだ。
見ると、どうやら大匙じゃなく、小さじの方を手に持っているし、料理酒をフライパンに直接流し込んでいる。