ありがとう。そして、さようなら

そのうち、忠男君と僕らは全員が打ち解け立派な大人の忠男君は僕らの仲間入りし、いつしか忠男君はチャリンコオートレースの名誉会長に就任し、忠男君の給料日には忠男杯としてのG1レースが行われ忠男君からビックリマンチョコレートを10個など僕らには目が眩むような品が送られた。

忠男君も名誉会長とみんなが呼ぶものだから素直に喜んでくれた。

だから、50円ずつ出しあう合計300円よりも、素敵なお菓子が貰え、優勝すれば一緒になって喜んでくれる忠男杯のほうが僕らは燃えた。


今さら思うが忠男君は少し普通の大人と違って知能が遅れていて社会に入っていけない理由があったと思う。

だけど、そんなことはどうでもよくて忠男君は僕らにとって大事な友達だった。