ありがとう。そして、さようなら

僕らは何だろう?てな感じ。


そりゃそうだ。

クラスがそれぞれ違ったので学校で野球のメンバーで募って遊ぶことはなかったし、ましてや先生が野球のメンバーと知って呼び出されてるわけで何だろう?って思うのは普通であって、僕らは固唾を飲んだ。


そして、先生が
「君らは藤嶋さんて知ってるよね。」


誰一人として知っているものはいなかった…
だから、この先生は何をいきなり言ってんだ?

全員が同じだったと思う。


藤嶋さん?


仲間のサトシ君が口を開く

「知らないです…」

青柳先生もエッという感じだったが

「藤嶋忠男さんだよ。」


ここで初めて忠男君って藤嶋っていうんだとおもいつつ、僕らは忠男君のことだと理解できた。


すると、青柳先生は

「今、お亡くなりになられたようだけど…藤嶋さんのお母様から今電話があってみんなに藤嶋さんが亡くなられたことを伝えてもらえませんか?って言われたんだけど、どんな関係の人なの?」


かなりの沈黙があった…

隣で、タカノリ君が声を上げて泣きだした


こんなとき、連鎖的にタカノリ君の泣きは僕らみんなに伝染ってしまい、声を上げて泣くものもいれば、グッとこらえながらも、こらえきれず涙を流してしまう僕ら6人…

先生はビックリしたようで僕らが落ち着くまで何も聞かなかった。

落ち着ついたところで忠男君と僕らの関係を先生は理解し、親族でもないのに先生は僕らを早退させてくれて先生が忠男君のお母さんから聞いた住所にすぐに向かったんだ。


先生から地図を用意してもらい迷いながら忠男君の家に到着した。