君の涙を拭うのは



琉月side


「琉月ちゃんこの後どっか行かへん?
感じのええ喫茶店見つけたんや!」


「…そうなんだぁ……。」


パシン


永くんの話が右から左へ流れて行く。


「怜央くんも積極的になんなきゃ!」


『俺が?』


「油断してたら盗られちゃうよ?」


楽しそうに話す怜央くんと蝶舞ちゃん。

モヤモヤと晴れない気持ちに戸惑いながら
ホッチキスでプリントを纏める。


「琉月ちゃん、怜央が気になるんや?」


「そ、そんなんじゃないよ!?」


図星を突かれ、声が裏返ってしまった。


恥ずかしい……!


「琉月ー!帰るよ!!」


「豊!」


タイミング良く、豊が来てくれた。


琉月sideEND